仏像の「明王」の種類とは?役割や特徴を分かりやすく解説!
仏様には多くの種類があります。仏像の姿だけでなく、それぞれの仏様が担う役割やもつご利益も異なるのが特徴です。今回は仏像の中でも上から3番目の位置にある「明王」に焦点を当て、その特徴や役割、さまざまな種類について詳しく解説します。仏像や明王の種類について知りたい方や理解を深めたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
明王とは何か?どんな役割があるか
明王は仏像の種類のひとつですが、どのような仏様でどのような役割をもつのでしょうか?こちらでは、明王の概要と役割について解説します。
そもそも明王とは?
明王は仏像の種類のひとつです。仏様には位が4つあり、位が高い順から「如来」「菩薩」「明王」「天部」が挙げられます。中でも明王は如来・菩薩の次の階層にあたる仏であり、密教から生まれたといわれている仏様です。
密教はもともとはインドの仏教であり、その後中国・日本へと伝わりました。日本で密教を広げたのは空海や最澄であり、平安時代の初期ごろに一般へと広まったとされています。
明王の役割
明王は密教の最高仏である大日如来の化身であるといわれています。修行する者を守るために煩悩や悪をこらしめ、仏の教えへと導く役割をもつのが特徴です。明王は仏法を守る存在であり、大日如来がそのままの姿・形では教えに従わない者を屈服させるために化身した姿です。
そのため、多くの明王は髪が立ち上がった状態で怒りの形相をしています。インドの古典言語では明王を「ヴィディヤ・ラージャ」と呼びます。「ヴィディヤ」は知識や学を表す言葉であり、明王が民衆に対する教令を主な役割とすることを表しているといえるでしょう。
仏像における「明王像」の特徴とは?
先述の通り、明王は煩悩や悪をこらしめ、教えに従わない民衆を屈服させることを目的とした姿です。そのため、仏像における明王像は怒りの形相で髪を逆立て、多くの場合武器をもっています。
その表情は怒りを表しているというより、厳格な態度や威厳を表しているのです。
明王像のご利益
明王にはさまざまな種類があり、ご利益の内容もそれぞれの仏像ごとに異なります。中でも代表的な明王のご利益として挙げられるのは、厄難除災、病患、渇水、天地変異、解毒などです。
代表的な明王像の種類
明王像にはさまざまな種類があり、それぞれで役割や姿・形が異なるのが特徴です。こちらでは、数ある明王像の中でも代表的な仏像である4種類について、仏像の姿や役割などを詳しく解説します。
不動明王(ふどうみょうおう)
不動明王は明王の中でもっとも強い力をもつ仏様であり、ヒンドゥー教の最高神であるシヴァをもとに生まれました。インドでは不動明王を「アチャラナータ」と呼びます。
アチャラ=動かない」「ナータ=守護者」という意味をもつため、日本語に直して不動明王と呼ばれるようになったのです。不動明王は炎の仏様であり、仏の世に人間界にある煩悩や悪が届かないように炎で焼きつくす役割をもっています。
降三世明王(ごうざんぜみょうおう)
降三世明王は不動明王に次いで位が高い仏様です。降三世明王の名前は、過去・現在・未来の三世と、煩悩の三毒を降伏させることを由来として名付けられました。降三世明王には顔が4つ、腕が8本あるのが大きな特徴です。
手にはさまざまな武器を持ち、背中には炎を形どった光骨があります。また、降三世明王の仏像は、2人の神を踏みつけている姿がほかにはないトレードマークとなっているのです。
軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)
軍荼利明王の「軍荼利」とは、インドの古典言語である「クンダリーニ」から来ている言葉です。クンダリーニは「とぐろをまいたベビ」という意味であり、軍荼利明王は身体にヘビを巻きつけているのが特徴。
ヘビの解釈にはさまざまな説がありますが、一例として「身体に巻きつくヘビを退治するように悪や煩悩を壊して人々を救っている」といわれています。
大威徳明王(だいいとくみょうおう)
大威徳明王は顔・腕・足がそれぞれ6つずつあり、6本の足があることから「六足尊(ろくそくそん)」とも呼ばれる仏様です。大威徳明王の「大威徳」とは、文字通り「大きな威力・権威をもつ」という意味であり、悪を打ち壊す役割を持ちます。
大威徳明王は、大きな水牛に乗っているのも特徴のひとつです。6本の足がある姿は仏像の中では大威徳明王だけであり、非常に珍しい姿をしています。
まとめ
今回は仏像の「明王」について、特徴や役割などを種類別に詳しく解説しました。明王は仏様の中でも如来・菩薩に次ぐ階級の種類であり、インドの密教から生まれたとされています。
明王は人間界にある悪や煩悩から修行者を守る役割をもっており、ほとんどの仏像が武器を持ち、威厳を示すために忿怒の形相をしているのが特徴です。明王にはさまざまな種類があり、代表的なものには不動明王や降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王などが挙げられます。
明王は階級ごとに異なる姿・形をしており、それぞれの担う役割も異なるのです。仏像や明王について知りたい人、知識を深めたい人は、今回の記事をぜひ参考にしてください。