天部の仏像とはどういったもの?高価買取してもらうための注意点とは
引っ越しや遺品整理などで、仏像の処分に困ってはいませんか。この記事では、天部の仏像についての基礎知識を紹介し、仏像を高く買取ってもらうための注意点を分かりやすくお伝えします。「そもそも天部の仏像とはなんなのか」「どのように販売すればいいのか」など、仏像について知りたい人はぜひご一読ください。
そもそも天部とは
天部とは、仏教世界の天上界に住む仏様を守る守護神のことです。天上界とは、天道や天上道とも呼ばれ、神々が住む世界を意味します。仏様には、仏教の世界でもっとも尊い如来、衆生を救う菩薩、如来の化身とされる明王があります。天部の神様とは、これらの仏様や仏法を守る存在です。帝釈天や弁財天、毘沙門天、梵天などが天部に属しています。天部は、仏様よりも近いところから私たちを見守ってくれる神様として、日本で広く信仰されています。
また、天部の神様はインドの神様に由来するものが多く、中国・朝鮮を経由し、日本に伝えられたものが多いです。そのため、天部の仏像にはインドのガンダーラ美術や中国朝鮮の文化が感じられるものが見られます。時代背景を見て取れるのも天部像の面白さでしょう。
もっとも有名なのは帝釈天
帝釈天(たいしゃくてん)を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。帝釈天とは天部の中で最高位に住む神様で、仏法を守る守護神です。古代インドの最強の武神であるインドラの化身といわれています。インドラはインドラの矢と呼ばれる雷で魔神たちを調伏する神ですが、仏教世界の帝釈天は慈悲深い神として知られています。
仏教世界の中心にある須弥山という山の頂上から、命あるものすべてを見守る神様です。仏法守護の主神であり、梵天とともに仏教の二大護法神とされ、合わせて“梵帝”とも呼ばれます。如来や菩薩のわきに置く仏像としての需要が高いでしょう。
帝釈天のご利益
仏法を守る守護神である帝釈天のご利益は、諸願成就・縁結び・厄除け・国家安泰です。強いご利益があるとされ、人気を博しています。
帝釈天像の特徴
帝釈天は、上部に束ねた髪と、礼服の上の甲冑、とがった靴、手には与願印の印相を結んでいることが特徴です。ただし、インドから時代を経て日本へ伝えられるなかで、さまざまな形の帝釈天像がつくられているので注意が必要でしょう。
天部像の買取相場
天部像の買取相場は、1万円前後です。ただし、極彩色が残存していたり、金・翡翠・象牙などの貴重な素材で作られていたりするものは高額で買い取られる可能性があります。また、大量生産されたものや、保存状態が悪いものは1万円以下になることもあるでしょう。
もともと買取価格の幅が広い仏像や天部像。実際の売却価格よりも安く売ることになってしまわないためにも、価値をしっかり把握しましょう。
天部像を高価買取してもらうための注意点
ここからは、天部像を高価買取してもらうための注意点をご紹介します。注意点を押さえておけば、買取価格アップが期待できるでしょう。ぜひチェックしてみてください。
(1)付属品も一緒に査定に出す
付属品とは、共箱や台座、保証書などです。共箱とは作者が署名捺印した箱のことで、仏像が本物であるかを証明するもののひとつです。保証書とは仏像がどのようなものなのかを証明するためのもの。「邪魔になるから」「よごれているから」と処分せずに、大事に保管しておきましょう。
(2)鑑定書を提出する
鑑定書がある場合は、一緒に提出しましょう。鑑定書とは第三者が仏像について証明する書類です。作者や作られた年代などが記載されています。この鑑定書があれば、査定もスムーズに行われやすいです。
(3)買取専門店を選ぶ
現在、ネットオークションやフリマアプリのように、インターネット上で出品することもできます。しかし、買い手に仏像の価値を理解している人が少なかったり、仏像の知識がないまま販売してしまったりすることで、実際の売却価格よりも安く売ることになってしまうケースが多いです。
買取価格に幅がある仏像。なるべく高く売るためにも、専門知識が豊富な買取専門店に査定依頼することをおすすめします。出張買取や宅配買取を行う専門店もあるので、要チェックです。
まとめ
この記事では、天部の基礎知識と、天部像を高価買取してもらうための注意点をご紹介しました。天部とは、仏教世界の天上界に住む仏様を守る神様のことです。その多くはインドの神様に由来しており、インドのガンダーラ美術や中国朝鮮の文化が感じられるものも魅力です。有名なものに帝釈天や弁財天があります。帝釈天とは、天部の中で最高位に住む神様です。その強いご利益から多くの信仰を集めています。天部像の買取相場は、1万円前後ですが、保管状態や素材や作者によって買取価格は大きく異なります。共箱や保証書、鑑定書などをセットで査定に出せば、買取価格がアップすることが期待できるでしょう。