仏像の台座の種類とは?仏像によって異なるのは理由とは
仏像には座っているものだけでなく、臥しているものや立っているものにもそれぞれ特有の台座が付いています。一般的に見かけるものからまれなものまで、仏像の台座にはさまざまな種類が存在しているのです。当記事では、仏像ごとに台座が異なる理由についても紹介。興味がある方は、ぜひ読み進めてみてください。
仏像の台座とは何か?
仏像の台座は、仏像彫刻を安置するための台のことを指します。かつては「仏座」とも呼ばれており、仏像が座っているだけでなく、立っている仏像や臥している仏像にもそれぞれの台座が存在するのです。
台座は堅固に作られており、悪魔や外道などの邪気を寄せ付けないという意味合いも込められています。仏座には深い意味が込められており、その理解も重要です。
台座の種類一覧
台座にはさまざまな種類が存在します。一部は頻繁に目にする機会がありますが、ほかの種類はあまり見かけないかもしれません。写真などでそれぞれの内容を確認してみましょう。
蓮華座(れんげざ)
こちらは仏教のシンボルといわれている蓮華の花を使用しています。迷いのない清らかな心を表現していて、もっとも有名な台座です。蓮華の花の上に仏像が座っていて、如来、菩薩、愛染明王などが見られます。
踏割蓮華座(ふみわりれんげざ)
蓮華の花がふたつある特徴的な台座です。立っている仏像の足元に蓮華の花が配置されています。金剛夜叉明王や五大明王などが有名です。
荷葉座(かようざ)
蓮の葉を使用した台座です。吉祥天や鬼子母神などが座っている姿がよく見られます。
須弥座(しゅみざ)
神々が住むとされる山をイメージした台座です。また、その形状が「宣」の字に似ていることから「宣字座(せんじざ)」とも呼ばれます。古くから存在し、奈良時代以前に作られた仏像に見られ、如来や菩薩が須弥座に座っている姿が有名です。
裳懸座(もかけざ)
仏像が身に着けている衣の裾が垂れ下がっている台座を指します。丸い椅子のような形状のものもあり、如来や菩薩が座っている仏像や半跏像がとくに知られているでしょう。
岩座(いわざ)
岩の上に仏像が置かれている台座です。ゴツゴツとした印象があります。多くの明王や金剛力士、四天王像などに用いられていることが多いです。また、岩座は他の台座と組み合わせることも可能で、踏割蓮華座や邪鬼などと組み合わせることがあります。
瑟瑟座(しつしつざ)
四角いブロックを積み重ねたような台座です。自然界に存在する岩をイメージして作られています。不動明王がこの台座の一例です。
州浜座(すはまざ)
海辺にある岩をイメージした台座です。岩座の一部として八部衆や十大弟子が座っている姿が見られます。
雲座(くもざ)
風になびく雲の上に仏像が乗っているイメージを持ちます。阿弥陀如来や飛天がこの台座に座っている姿がよく知られており、地上から降りてくるときにはこの雲座に乗ると伝えられているのです。
鳥獣座(ちょうじゅうざ)
動物の姿がモチーフとなっている台座です。動物が仏をサポートしていることや仏の力を表現しています。獅子、象、牛など、さまざまな動物と組み合わせた台座が有名です。
邪鬼(じゃき)
人間の心に宿る邪悪な存在をイメージした台座です。四天王の足元を支える形状をしており、四天王との関係で解釈されることが多いです。
大自在天・烏摩(だいじざいてん・うま)
大自在天と烏摩が降三世明王に踏まれている構図が特徴的です。これはみずからがもっとも偉大であると主張したため、降三世明王に怒られてしまったという伝説に基づいています。
地天女(ちてんにょ)
大地の女神を表した台座で、2匹の鬼を脇に従えています。邪鬼とは異なる存在です。
仏像の種類によって台座が違うのはなぜ?
なぜ仏像の種類によって台座が異なるのでしょうか?一部の台座はほかの台座と組み合わせることが可能ですが、一般的には台座と仏像はセットになっています。そもそも仏像の種類によって台座が決まっているのです。
たとえば有名な蓮華座では、如来や菩薩、愛染明王などが蓮台に乗ると決まっています。台座と仏像がマッチしている必要がありますので、間違えないように注意しましょう。
もっとも有名なものは蓮華座
さまざまな種類の台座がありますが、そのなかでもっとも有名なものは蓮華座です。蓮華は泥の中で育っても花が枯れることなく立派に花を咲かせます。このことから、煩悩から解脱する趣旨と合致しているので、広く使用されているのです。
これまで仏像のみ注目して台座に注目していなかった人は、この機会に台座にも注目してみましょう。これまで以上に、仏像に対する愛情が深まるだけではなく、内容を理解できるようになります。
まとめ
仏像の台座には、蓮華座以外にもさまざまな種類が存在します。台座が作られた経緯を知ることで、さらに興味が湧くでしょう。仏像に注目していた方も、この機会には台座にも注目してみてください。
仏教だけでなく、ヒンドゥー教からも影響を受けた台座も存在しますので、知識を広げることができます。また、蓮華は仏像だけでなく、寺院の装飾などにも使用されていることも覚えておきましょう。